慶應義塾大学 法務研究科 講義要綱・シラバス
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科目名 開講学期 曜日・時限 単位
企業内リーガルセクションフォーラム・プログラム(2・3年) 2015・秋学期 火6 2
担当教員名
奥邨 弘司
キャンパス 三田
設置課程 法務研究科
設置学部・研究科 専門職学位課程

授業の目的と到達目標
 近年、法曹資格取得後または法科大学院修了後の進路として、企業の法務部門を選択する者が増えている。日本組織内弁護士協会の調べによれば、いわゆる企業内弁護士として働く者は、2001年にはわずか66人であったところ、2014年6月時点では1179人となっており、はじめて1000人の大台を突破し、今後も増加は確実と予想される。
 慶應ロースクールでも、企業の法務部門への就職を志望するものは少なくないものと考えるが、法務はスタッフ部門であって外からは見えないこと、また、現状ロースクール生の多くが社会人経験を有さないため企業内の状況が分からないことなどもあり、ロースクール生が、法務部門の業務内容を具体的に想像することは難しい。
 そこで、本フォーラム・プログラム(FP)では、企業における法務部門の活動を、実務的かつ体系的に学ぶことを目的とする。その際には、法的知識の教授に留まるのではなくて、実際の業務に当たっては、戦略的思考能力、柔軟な対応能力、コミュニケーション能力などが求められることも解説したい。そして、企業の法務部門は、単に法律問題を処理するだけではなくて、ビジネスをサポートし、かつ、企業を守るという、重要な役割を担っていることを理解してもらいたい。
 もっとも、企業内で法務部門が対処する分野は幅広いため、15回という限られた授業時間では、個々の分野に割ける時間は限られる。したがって、細かな専門知識を身につけることよりも、企業内法務の機能を俯瞰的に理解すること、および企業の法務部門が求める人材像を理解することを最重要の目標とする。
関連する科目との関係
 企業内法務が対象とする分野は幅広いため、特定の科目の履修を本FPの履修の条件・前提とはしないが、多様な法律分野について、卒業までに積極的に学んで欲しい。なお、相乗効果が見込まれるので、本FPの受講前、または受講後にエクスターンシップ(企業)を受講することを推奨する。ただし、必須ではない。
 本FPは、将来、企業において、企業内弁護士や法務担当者として働くことに興味関心ある者を念頭に授業を行うが、法律事務所において企業法務案件の専門家を目指す者にとっても、クライアントである企業を理解する上で役立つものと考えるため、そのような視点から受講を希望する者も歓迎する。
授業の方法
 講義と演習を適宜組み合わせて授業を行う。受講者は、指示に応じ、事前に配付された資料を検討した上で、授業に臨むことが求められる。また、受講者に発言の機会が与えられる場合は、積極的な参加が求められる。
 本FPでは、担当教員による講義の他に、企業法務担当者の全国組織であり会員企業数1000社を超える経営法友会(http://www.keieihoyukai.jp/)や日本組織内弁護士協会、さらには慶應ロースクールを修了して企業内弁護士として活躍している先輩達の協力を得て、有名企業の法務部長や部長経験者、現役の企業内弁護士を中心とするゲスト講師を招き、企業内法務の実際について講義してもらうことを特色とする(参考として2014年度は計7回の授業に合計9名のゲスト講師を招いた)。
 また、企業内法務を理解するための授業関連行事も計画している(2013年度は、大手企業の法務部門の見学を行った。2014年度は、現在企業で活躍している慶應ロースクールの先輩達を招いて、企業が求める法科大学院生について考える研究会を行った)。貴重な機会となるので、積極的な参加を期待する。なお詳細は、授業開始後案内する(変更も予想される)。
教材
 担当教員による回は、担当教員作成の資料による。ゲスト講師による回は、ゲスト講師作成の資料による。
 参考書は、授業時に適宜紹介する。
授業内容
第1回 企業内法務総論(1)
  企業内法務とは
第2回 企業内法務に求められる人材像
第3回 企業内法務総論(2)
  企業内法務の機能(臨床・契約法務)
第4回 臨床(トラブル対応)法務の実際
  事例を踏まえた解説
第5回 契約法務の実際
  事例を踏まえた解説
第6回 契約法務演習(1)
  模擬契約交渉
第7回 契約法務演習(2)
  模擬契約交渉続き
第8回 企業内法務総論(3)
  企業内法務の機能(組織・政策法務)
第9回 組織法務の実際
  事例を踏まえた解説
第10回 戦略法務・政策法務の実際
  事例を踏まえた解説
第11回 企業内法務総論(4)
  企業内法務の機能(予防法務・組織内弁護士)
第12回 予防法務・コンプライアンスの実際
  事例を踏まえた解説
第13回 予防法務・コンプライアンス演習
  社内啓発資料の作成を体験
第14回 組織内弁護士の実際
  事例を踏まえた解説
第15回 総括講義・質疑応答
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